異常なる食癖
他人の「うまそー!」に憑依する男。
食事へのこだわりが強い人はたくさんいますが、
この人の行き過ぎた奇癖は、空いた時間に何度も見返してしまいます。
先入観も前情報もなしに見てほしい。
24:30あたりの主観の押しつけで毎回笑う。
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いったい何度目の「日本酒ブーム」かわかりませんが、
ここ数年で日本酒メニューの充実した居酒屋が増えてきた実感があります。
これまでの一過性のブームでは、もてはやされて神輿を担がれた蔵が、
もうひと儲けを見込んで自社設備にがっつり投資した頃にはブームが去ってしまい、
投資したぶんのローンと売り捌けなかった大量の在庫だけが残って倒産…という蔵も多数あったそうな。
それに対して現在は、イメージの悪いパック酒やコンビニ酒は販売量が減りつつあり、
知名度は低くてもおいしいお酒を作る全国の小規模蔵が、全体消費量の内の割合を着実に増やしているようです。
実は昨日、例年よりも若干早くこんなものが発表されました。
酒類総合研究所 平成27酒造年度全国新酒鑑評会入賞酒について
お堅い名前が付いてますが、要するに
その年(酒造年度)に全国の酒蔵が作った日本酒が、
一定以上の質の良いものだと認められれば入賞(リスト入り)、
中でも特に良ければ金賞(☆のついた蔵)のお墨付きを与えようというものです。
先に挙げた鑑評会に出品されるお酒の大多数は、各蔵の最上位スペックのもの。通称「出品酒」。
その辺のお店に並ぶグレードの商品とはちょっとレベルが違う、いわば神々の遊びのようなものです。
「金賞受賞!なんて言われても一般消費者が銘柄を選ぶ基準にはならない」とする声もありますが、
しかし入賞とは「一定以上の酒造技術がある」という看板を得たことに他なりません。
モンドセレクションなんかよりよっぽど信頼のおける指標です。
鑑評会に出品するかどうかは各蔵の判断に委ねられています。
なので、酒飲みの評価は高くても「これ以上プレミア酒扱いされないように」と出品自体を見送る小規模蔵も多数あります。
冒頭に書いた「神輿」と同じ轍を踏むわけには行かない、という一種の防衛策です。
入賞の栄誉を掲げていないからと言って、ダメな酒造りをしてるわけではないのです。
鑑評会の評価こそ史上と考えている人も少なからずいるのが厄介なところ。
以前貼った画像。金賞蔵もあれば、出品してない蔵もあり。
鑑評会の評価うんぬんよりも、
お店で試飲して、納得して買い物できればそれに越したことはないですね。
リンク先の頭にある通り、この鑑評会の趣旨は
「日本酒のトレンド調査と酒造技術の向上」という内向けの大義があるということになっていますが、
出品酒が飲めると聞いて酔っ払い達が山のように群がるイベントは毎年大盛況です。
こういう「利き酒」イベントの会場の隅でぐでんぐでんになってる一部の人達を見ると、
「こういう人が自身の好きな文化を殺していってるんだなぁ」と思うようにしています。
出品されるのは酔いつぶれるためのお酒じゃないんだけどなぁ。
余談ですが、世にはびこる「利き酒師」と呼ばれる肩書きは、2〜30万くらい出せば買える資格。
酒販店やちょっといい居酒屋は自社で勉強会やったりするから肩書きに見合う仕事もしてるだろうけど、
その辺の意識高いおっさんや襟のでかいブラウスのOLが、名刺に「利き酒師」とか入れてるのを見ると、
どうしても「この人は合コンが人生の主戦場なのか」という目で見てしまいます。