賑やかな寺町を散歩
とにかくうまいもんが食べたい。
でも下調べするのもめんどくさい。他人の舌のレビューをいちいち読む根気もない。
そんな風に生きてきたので、気になっていたお店に足を向けてみると定休日だったり。
土曜日にふらりと遊びに行ったお店も、着くころにはもう売り切れの張り紙が。
昼過ぎでもう売り切れってことは人気のお店だったんだ…と口惜しさは深まるばかり。
初手からこの調子じゃ先が思いやられる休日。
定食屋でアジと牡蠣のミックスフライ定食をぺろり。
「まるごとスッゴイやっこ」「こんなスッゴイからあげ食べたことありますか」とオバハンの主張強めな店のメニューを見ていたら、
FUJIWARA藤本さんのやるオネエキャラみたいなのが頭の中で騒ぎだしてイーッってなった。
清澄白河という街。
都内有数の広い公園や庭園、東京都現代美術館に昔ながらの深川めし(あさりの炊き込みごはん)と、
文字で見てもいまいち面白さに欠ける街でしたが、
最近では新しいカフェやギャラリーがぽんぽんできて「昔ながらの下町文化とアートとコーヒーの街」というアオリでアド街やら雑誌に取り上げられているようです。
スタバやおしゃれなカフェの前を通るたびに頭に浮かぶのは、
子供の頃、法事の襖の向こうから大人達の笑い声が聞こえてきた時のような居心地悪さ。
そして口に含んでみてもいまいち良さがわからないコーヒーの味。
そんなネガティブイメージのせいで敬遠していたコーヒー文化でしたが、
とあるお店を通りがかると、焙煎した豆の抗いがたい香りが。香りは好きなんです。
扉開けっ放しのオープンな雰囲気だったので近付いてみると、
店内に流れていたのはネオフォークメタルの雄、エルヴェイティ。
そして壁一面を飾るスケボー、骨、縁起物、そしてガルパン。
ゴリゴリのストリート系かと思いきや、どうやら好きが各方面に突っ走ってるタイプの店員さん。
種類も頼み方もわからず「和食舌に合うのはどれですか」と注文すると、
「じゃあ発酵を感じられるのがいいですかね」と即座に応じる格好良さ。
初めてコーヒーの酸味をおいしいと思った。また行きます。
*******************************************
だだっ広い木場公園の中に建つ東京都現代美術館では、現在ピクサー展の会期中。
ピクサーの集客力のおかげか、街にはデートカップルがたくさん。
難解な現代アートに感ずるもの無し、の僕には近くて遠いこの美術館も、
せっかく近くにいても、周りにカップルだらけとなるといよいよ入る事叶わず。悲しくなるもの。
噂の「人をダメにするソファー」はまた次の機会。
そんな中、思い付きの街ブラに付き合ってくれるような友達もいないひとりものは、
運河沿いでまったりしながらジジババが集う清住庭園…の隣、清住公園へ。
カップル密度は薄まり、ほっと一息。
降りられない様子。頑張れお父さん。 pic.twitter.com/thWNPeTVKL
— saywhatchugotta (@saywhatchugotta) 2016年4月16日
*******************************************
酒樽が並ぶ店先。日本酒好きならテンションの上がるこの揃え。
鶴齢、陸奥八仙、巌に阿櫻に水尾まで。もちろん表に並んでるもの以外もたくさん。
店内はすれ違うのがやっとの、細長いうなぎの寝床のようなつくり。
鶴齢が20種類近くずらりと並んでるのは壮観でした。ちょこんと雪男もいた。
青森の七郎兵衛を店頭で見たのはいつぶりだろう。お燗の季節に来たかったよ。
家族だけで作ってるような小規模蔵のお酒の特約店さんに出会うのは本当に嬉しい。
でも四合瓶が品切れだったので、代わりに南方の大吟醸うすにごりを調達。
天才・南方熊楠の生家は酒蔵なんですよ。
*******************************************
雑貨屋で寄木のトレーに目を奪われて悩んでいると、
上の写真にもあった自転車の置き物と同じものを見つけて思わずセットで購入。
よく出来てるのにひとつ1000円。やっす。
マダガスカルの空き缶工芸だとか。東南アジア製なら3,4倍くらいしそう。
地酒の揃えのいい酒屋さんもあるし、
自転車だったので行かなかったけど角打ちのせんべろ酒屋もあったりするこの周辺。
寺町の落ち着きと観光気分が味わえて楽しかったです。本気で住みたい。